The Holiday LOUNGE
~世界観の共有と、オリジナルブレンドのしごと~
東京都渋谷区、恵比寿駅西口から徒歩で3分。都心にあって空が広く抜ける5叉路の交差点に、「The Holiday LOUNGE」がある。
ふたつの海上コンテナを活用したボリュームと、それを風景としてコーディネートするテラス、そしてカフェ空間全体をひとつの「島」のように演出するウッドデッキのアプローチ。純白に仕上げられた一連のエクステリアは植栽のグリーン、サーフブルーのロゴ、アーティストによるウォールペイントといったアクセントを得て、心地よいアメリカ西海岸のカルチャーを感じさせてくれる。
「ここは架空のホテル。」コンセプトについて、そう岩切氏は語る。
平日と休日、ワークとライフ、普通と特別。その境界から解き放たれた豊かな遊びの時間が仕事の生産性を生み、リゾートのような自然でレイドバックな生活をつくる。ホテルのラウンジに見立てたカフェのスペースに一歩入るとその世界観に包まれ、衣食住を余すところなく表現する空間と人に魅了されることだろう。
このラウンジをデザインした岩切剣一郎氏をはじめ、プロジェクト「The Holiday」は数人のカリフォルニア帰りのクリエイターが集うことで産声を上げた。
彼らは偶然にも湘南に居住し、生活の中にいつも海とサーフィンと、そして仕事が心地よく入り混じるライフスタイルの体現者。飲食部門の立ち上げをプロデュースし、シエロとのつながりを決定づけた内田鉄兵氏もそのひとりだ。「テッペイさん」シエロにとってそう呼ばせてもらえる友人であり、愛用のサーフボードのシェイパーでもある彼のお店は、長く暮らした湘南に帰ると必ず立ち寄る場所でもある。
California Poke Company
神奈川県茅ヶ崎市柳島1840
「なにかもう、新しい飲み物という感じで。それが美味しくって。」生粋のコーヒーラバーであり、大手チェーンでの店頭スタッフなど豊かな経験を持つスタッフのNaoさんは、シエロとのファーストコンタクトについてそう語ってくれた。
新しい飲み物、というのは2022年のはじめに限定商品としてリリースしていたゲイシャというコーヒー、まるで紅茶のような透明感と豊かな香りを持つ浅煎り仕上げのシングルオリジンのことだ。その日シエロは日帰りで恵比寿に出張し、前述の鉄兵さんと一緒にゲイシャを含むコーヒービバレッジ全体のオペレーション研修にあたっていた。
「The Holiday LOUNGE」は、シエロがお店のためのプライベートブレンドを手掛けた出荷先のひとつでもある。
立地の条件から出荷量が大きく、3年間(後述)にわたり安定供給ができること、ロット欠品のバックアップが可能なこと、スペシャルティコーヒーとして隙のない品質と魅力を備えること。これらと併せ、立ち上げ当時からお店にとってどういう立ち位置でコーヒーが機能しても対応できるように、焙煎の方法ひとつでゲイシャに迫る鮮やかさからクラシックスタイルまで、様々な性格を手に入れられる振り幅の広さも条件となった。
ローフードを軸としたメニューとの相性、季節による微調整を念頭に置きつつ、シエロとしては「自分が海上がりに飲みたくなるコーヒー」を目指して形になっていった。
ブレンドの現在の姿はエスプレッソビバレッジを中心にした展開で、すっきりとしたカフェ・アメリカーノや艶やかなカフェラテをメインとする。ラテアートの美しさもさることながら、ミルクの中にしっかりと個性の出たコーヒーの味、そして時間が経過しても滑らかさを失わないフォーミングの技術は是非多くの方に体験していただきたい。
Naoさんは先の研修、2022年のはじめの頃から店頭に立ち、現在もお店を訪れると彼女の笑顔が迎えてくれることが多い。開店前、お店のテラスでのコーヒータイムが何よりの癒しだという。Naoさんをはじめカフェスタッフのメンバーは誰もが魅力的で、コーヒーに向き合う姿は遠隔で連絡を取り合うシエロにも強く伝わってくる。
オープンから2年弱、何人もの若いスタッフがここで経験を積み、夢を持って卒業していった。
その時折のチームの姿は、スタッフカウンターの端末に皆輝くような笑顔で集合写真が残されている。それはまるでリゾートホテルに置かれた一冊のノートのようだ。このラウンジの空間と時間が、誰よりもスタッフ自身から愛されていることがわかる。
「チェーン店のコーヒーが飲めなくなった」そういった感想が届くようになってずいぶん慣れたと思う。その言葉をスタッフ自身から聞けることが誇らしい反面、シエロとしてはオーソドックスなコーヒー、とりわけシーンやペアリングに左右されない「The Holiday Blend」のような存在にこそ、より高品質なものをもっと当たり前にしていかなければならないと思う。普通と特別、その境界が取り払われた世界は、きっとハッピーだと思う。
“BE FREE” from Borders.
そこにコーヒーが寄り添えるように。
今回のインタビューにあたり、スタッフNaoさんと共にご協力いただいた、空間デザイナーの岩切剣一郎氏。彼はこのラウンジのコンセプトを「The Holiday LIVIN’」として拡張し、建築設計のトップランナーとしてその腕を振るう。衣食住の中心からデザインするライフスタイル。ラウンジの向こう側、まだ見ぬボーダレスなパーソナルスペースに、夢を委ねることもまた、可能なのだ。
・「The Holiday LIVIN’」詳細についてはラウンジスタッフまでお尋ねください。
・「The Holiday LOUNGE」は2023年10月までの期間限定コンセプトカフェとなります。
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